La'cryma Christi 「In Forest」http://www.youtube.com/watch?v=UTl24o-80rc
そして、この時代からの二大勢力として挙げられるバンドが、PIERROT(当時の表記はPierrot)とDir en greyです。
PIERROTもまたBREAKOUTから輩出されたバンドで、社会体制への批判などを盛り込んだ強いメッセージ性と、シンセギターを多用した独特の音作りを特徴としていました。99年に西武ドーム公演がソールドアウトし、デビューからのドーム公演完売の最短記録を打ち立てました。ちなみにこの西武ドーム公演は客席が「AGITATOR」と「FOLLOWER」の2サイドに分かれており、私はFOLLOWERサイドでこのライブを見ていましたが、特にAGITATORサイドとの差異はなかったように記憶しています(あれは何だったのかと未だに謎です)。
また、PIERROTのライブといえば「振り」が重要でした。主にボーカルのキリトの動きに合わせて客席も全員で踊るというものですが、Xジャンプの比でなく難しい振り付けが曲ごとに決まっていました。手首をくねらせてステージに向かって送り出すような動き=手扇子などはROUAGEのライブなどでも見られた文化ですが、曲ごとに違ったフリを全員揃って行うという文化はPIERROTが生み出したひとつのヴィジュアル系文化であると考えてよいでしょう。
Dir en greyはインディーズの頃から関西で大きな人気を誇っており、「I'll」がオリコンインディーズチャートの1位を記録しました。コテの基礎を作ったとも言えるバンドで、衣装はそれまでのバンド以上にコンセプチュアルでメンバー毎のキャラクターを重視したものでした。YOSHIKIがプロデュースし、デビューシングルとして同時発売した3枚のシングルは全てオリコン初登場10位以内を記録し、なかでも最も激しい楽曲「残-ZAN-」はミュージックステーションで披露され大きな話題になりました。ボーカル・京が血みどろで行ったパフォーマンス、包帯で巻かれた人間が逆さ吊りになったセット、そして演奏終了後にタモリの目の前を横切るメンバー達の姿は当時あまりにも衝撃的で、この放送が以降の「ヴィジュアル系」の世間的な印象を形作ってしまったとも言えます。あの放送から十余年が経った今も、Dir en greyの名を口にすると「ああ、あのミュージックステーションですごいことしてたバンド」と言われることがあります。
参考
Dir en grey 「残-ZAN-」http://www.youtube.com/watch?v=bqUbK_6bw8E
ただ、現在のDir en greyはかなり方向性が変わり、以前はメロディアスでキャッチーなものが多かった楽曲もハードなものが主になっています。メイク等もほとんどせずラフな服装をしていることが多くなりました。このことについては別章で書きたいと思います。
ヴィジュアル系四天王がそれぞれとうの昔に影を潜め過去の遺物となった上、PIERROTも解散してしまった今となっては、活動を続け音楽的に成功を収めているDir en greyの功績はヴィジュアル系にとって非常に大きなものといえます。