6 第二次ヴィジュアル系ブーム
こうしてヴィジュアル系の勢いは衰えてしまったかに見えましたが、華やかなJポップの隆盛の裏でヴィジュアル系バンドは虎視眈々とその復活のチャンスを狙っていました。また、陽の目を浴びないながらも確実に集客力や実力をつけているバンドは多数おり、90年代後半の熱から抜け出せなかった(私のような)ヴィジュアル系のファンは依然として存在していました。
21世紀に入って以降、音楽のダウンロードが主流となってCDの売り上げ枚数が減少していく中、レコード会社が注目したのがヴィジュアル系のファンの女性たち=バンギャでした。こうしたファンたちは「CDを全部持っている」ということにステイタスのようなものを感じるコレクター魂を持っているので、好きなバンドのCDは手にいれようとする傾向があります。そこにレコード会社が目をつけ、ヴィジュアル系のバンドたちを盛り上げ音楽業界を活性化させようと考えたようなのです。
第二次ヴィジュアル系ブームが興り始めてからのヴィジュアル系バンドを「ネオヴィジュアル系」と言います。これはかなり広義の言葉で、90年代後半頃から生き残っているバンドを除いて今流行しているヴィジュアル系バンドを総称してこのように呼びます。代表格としては前述のthe Gazette、シド、ナイトメア、アリス九號.、12012などが挙げられます。
私はこれらのバンドについてはあまり詳しくなく多くは語れませんが、バンギャの文化にも様々な変化が起こり(後述)、ヴィジュアル系なら何でもアリといったバンドの多様性も生まれてきたように思えます。
さて、ネオヴィジュアル系の中で唯一私が語ることのできるバンドがDです。ちょっと宣伝ついでにDを紹介させていただきたいと思います。
メンバーの脱退や、自主レーベルでの営業活動などの地道な努力で辛酸を舐めてきましたが、同期のバンドがほとんど解散してしまった中で見事に生き残ったバンドです。ASAGIの豊富な語彙と独特の世界観による歌詞の深さに加え、作曲陣の圧倒的なメロディックセンスと緻密に作り込んだアレンジも魅力。更に最近では(音源においてのみ)HR/HMキッズをも虜にする演奏力をも併せ持っています。 1stメジャーシングルからはプロデューサーにL'Arc?en?Cielを手がけたことで余りに有名な岡野ハジメ氏を迎え、これまで以上に音楽性に厚みが増しました。 ライブはキャリアの割に若干安定感に欠けるものの、演出やセットリストに手抜きがなく、メジャーへ進出した今もとにかく真面目に地道にやってます。
Dの結成自体は5年前ですが、ASAGIとRuizaに関しては前身バンドSyndromeからの長い歴史があり、世紀末?2000年代初頭の ヴィジュアル系を聴いていた方には必ず良い意味で「ウケる」要素が各曲の随所に散りばめられています。そういう意味では、Dは単に最近売れ始めたネオヴィジュアルという要素だけでなく、古き良きコテバンドを現代に継承したバンドと言えます。PIERROTがいなくなってポッカリと心に空いた穴を埋めるように、Dの「旧さ」と「新しさ」を併せ持った魅力が包んでくれるといっても過言ではありません。
Dに限ったことではありませんが、他にもナイトメアやNoGoD等といったバンドは90年代後半のヴィジュアル系の色を強く残しています。そのため、ネオヴィジュアル世代のみならず、90年代からの年季の入ったヴィジュアル系ファンにも人気が高く、二層のファン構造を成しているといえます。
参考
D「闇より暗い慟哭のアカペラと薔薇より赤い情熱のアリア」
http://www.youtube.com/watch?v=yIb0yiSfZ48
ナイトメア「茜」http://www.youtube.com/watch?v=73QjnBAdGy0
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